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ほほえみながら浮かぶピーマンの色は赤かったが、それはきっと彼女のこめかみに光るサンゴの髪飾りの色をまねたかったからなのだ

お店で見る野菜と

畑で見る野菜とでは

ぜんぜん雰囲気が違うことがある

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まず大きさが違う

すごく大きかったり小さかったり

かたちが違う

まがったきゅうりのことを

こどもは「し」みたいだと言ったりする

ここまでは想像できると思う

 

次に色が違う

ピーマンなのに赤い

ゴーヤがおいしそうなクリーム色をしている

さすがに警戒してしまって

手が出ない

だからお店で売られない

 

でも

かなりおいしい

白き怪奇

川で泳いだら上流から一ひらの白い花びらが

流れてきた。

ああこんなメルヘンが

この世にあるなんて・・・。

 

そっとすくいとってみたら

蝶の羽だった。

指でつまんでみた。

リン粉をちらしながら

ハラハラとくずれた。

 

ああこんなメルヘンにも

怪奇はひそむ。

ああこの人の世に

終わらない怪奇・・・。

エサーライェサーライ

呪文をつぶやく。

通り雨が好き 必ず晴れ間が待っているから

通り雨が嫌い 降る人と降らない人をつくるから

夜の渋谷で人と会う約束をして

大雨の中 苦手な雨ガッパを着て出かけて

渋谷についたら 空は晴れて星が見えていた。

 

その帰宅途中また雨が降り出して雨ガッパを着て

家に近づけば近づくほど

道に水があふれ川のように流れていた。

ずっと降りつづいていたっぽい。

 

通り雨じゃなくて

ただの大雨だったんだ・・・。

大雨は好き ひとつひとつの小さな雨粒が長い時間協力して大雨になるから