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ようこそカフェクアラへ ~ここは流れの集まる場所です~

 カフェクアラとして奥多摩で活動するようになって、もう早5年が経とうとしています。

 遡れば今から約20年前、大学時代にカヌーに出会い、奥多摩のすぐ隣の青梅市・御岳渓谷でカヌースラローム競技に夢中になった4年間。
 卒業後は社会人として働きながら、縁あって奥多摩町で毎年開催されていカヌーレースのイベント運営のお手伝いをしていました。そんな折、奥多摩町でカヌーを通じた観光振興を目指すNPO法人の立ち上げに誘われて、2009年からここ氷川キャンプ場を拠点として、カヌー体験アクティビティの事業を始めました。

 NPOの事業を始めて、奥多摩に来て下さったカヌーのお客様に接するうちに「この辺りに、ゆっくりくつろげるようなお店がないですか?」という質問を、よく聞かれることに気が付きました(当時の奥多摩駅周辺には、土日に営業しているカフェのような店舗がほとんどなかった)。せっかく奥多摩に来たのに、カヌー体験が終わったらすぐに帰ってしまうのでは勿体ない。ゆっくりくつろぎながら、カヌー以外にもある奥多摩の魅力を紹介できるような場所をつくれないか、という考えが浮かびました。そんな頃、たまたま氷川キャンプ場内に当時ほとんど使われていなかった売店施設があることを知り、私自身は飲食店やサービス業の経験は皆無だったのですが、そこを借りて仲間と手作りで改装して、試行錯誤の末にオープンしたのがカフェクアラです。(現在もまだ試行錯誤は続いていますが・・・。)

 カフェクアラを始めた目的は、おおざっぱにまとめると以下のようなことです。

 

1.奥多摩という自然豊かなこの場所に来て下さったお客様に、奥多摩の持つ素朴な良さ、非日常を感じていただける、くつろげる場所を作ること。

2.奥多摩にある、まだあまり知られていない資源(自然、食、人)を掘り起し、それを新たな視点で商品やサービスとして提供すること。

3.1と2によって、カヌーや氷川キャンプ場のお客様はもちろん、登山やハイキング、観光など奥多摩に来て下さった方の満足度を高めること。帰るときに「また奥多摩に来たいね」そう思ってもらえる人を増やすこと。

4.そして、この活動を通じて、クアラに関わってくださる地域の皆さんの生活を(時間的にも経済的にも)よりハッピーで充実したものにすること。

 

 カフェクアラの名前の由来、「クアラ」とはマレー語で「流れの集まる場所」、つまり、川と川の合流点という意味です。

 カフェのあるここ氷川キャンプ場が、多摩川とその支流・日原川との合流点のすぐ近くにある、ということから名付けたのですが、その先の思いとして、このカフェクアラという場所が、ある一つの流れと、違うもう一つの流れが合流して、集まった流れが何かの新たな力強い流れになってゆく、そんな場所になればというイメージを表したものでもあります。

 「流れ」というのは、言い換えればそれは「人」であり、またその人が行う事業やサービス、商品に置きかえてとらえることができるかと思います。あるいは、例えば何かの具体的なアイデアであったり、もっと大きなことを言えば、個人や社会の価値観やライフスタイルといったことにも、あてはまるのかもしれません。

 世の中の「新しい」と言われるモノやコトのほとんどは、既に世の中にあったものからできています。人が「新しさ」を感じるモノやコトの多くは、その組み合わせの妙であって、全く何もないところから突然生まれるものではないと私は思っています。ひとつひとつを見れば日常にある平凡なもの同士の、偶然の(あるいは運命的な)出会いと組み合わせによって、時には化学反応のような加速度的なエネルギーと共に生まれると言えるかと思います。

 その点では、世の中の全てのものは、きっかけひとつで新たな何かに「変わる力」を秘めていると、思います。

 二つの異なるものが出会うことで、そこからエネルギーを得て、新たな価値が生まれる。

 この小さな森のカフェは、いつもの日常とは違う、新たな自分に出会う場所です。

 あなたは、ここ奥多摩で何と出会い、どんな価値を生み出しますか?

 

kuala